大学病院で行っていた高度な医療を身近に提供します。
当院は日常的な目のトラブル(眼精疲労、ドライアイなど)から白内障、緑内障、加齢黄斑変性、屈折異常(近視、遠視、乱視)、糖尿病網膜症、網膜剥離、網膜硝子体疾患まであらゆる眼疾患に対応しています。手術、入院相談、めがね相談、セカンドオピニオン、特定健康診査・学校健診の二次健診にも対応しています。気になる目の症状がございましたら、お気軽にご来院下さい。
手術に関しては、大阪市立大学医学部附属病院眼科で准教授として、これまで数多くの執刀や医局員への手術指導を行ってきました。常勤医として勤務した病院とは別の病院や眼科クリニックなどでも執刀や手術指導を行ってきました。現在も毎週木曜日に石切生喜病院眼科で手術指導を行っています。
これまでの多数の手術で得た技術、経験、知識を活かし、また、地域の皆さまに貢献したいと考えています。
白内障
白内障は、目をカメラに例えたときにレンズに当たる
水晶体と呼ばれる部分が濁る病気です。
白内障になるとレンズが濁るわけですので、例えるなら「すりガラスを通した見え方」のようになります。
すりガラスの濁りのパターンや濁りの程度によって
見え方が変わります。
かすみ・まぶしさ・見えづらさから始まり、濁りの程度が進行しますと視力が低下します。
老化によるものがほとんどですが、その他の原因で起こることもあります。
現在の医療では、一度濁ってしまった水晶体を透明な状態に戻すことはできません。
濁った水晶体を透明にする方法は現時点では手術しかありません。
緑内障
眼球が球形を保つことができるのは、房水とよばれる
液体で満たされているからです。
通常、眼球内の圧力はほぼ一定に保たれています。
眼球内の圧力のことを眼圧と呼んでいます。眼球の中にある組織は、常に眼圧がかかっていることになります。
例えば10mmHgの眼圧の方の網膜には10mmHgの
圧力がかかっています。20mmHgの眼圧の方は10mmHgの倍の圧力が網膜にかかっていることに
なります。
緑内障は視神経に圧が加わることによって視神経が障害され、視野が狭くなる病気です。
視神経が傷み始める眼圧には個人差があります。一般に正常値と言われている眼圧の方でも
緑内障になる可能性があるので注意しなければなりません。
初期の段階では片方の目の視野が狭くなっていても、もう片方の目で補うことができるので、無症状なことがほとんどです。自覚症状が出たときには大きく視野が欠けています。
失われた視野は現在の医療では元に戻すことはできません。
40歳以上の日本人の5%~7%は緑内障と言われていますので、20人中1人が緑内障患者ということになります。定期的に眼科で検査し、早期発見・早期予防をすることが重要です。
【緑内障進行の一例】
網膜前膜
網膜前膜は目をカメラに例えたときにフィルムにあたる網膜の上に薄いゼリー状の増殖膜と呼ばれる膜ができる病気です。
増殖膜の収縮により、網膜に皺ができてしまいます。
中高年の方に多く、初期症状には変視(物がゆがむ)、徐々に視力低下をきたします。
治療法としては硝子体切除術にて網膜前膜を剥離します。
糖尿病網膜症
糖尿病は血糖値が高くなる病気です。
血糖値の高い血液が血管内を流れ続けると血管(血管壁)が傷んでいきます。
血管壁が傷んでいきますと、血管が血液を運ぶ管としての役割を果たせなくしていきます。
血管壁が薄くなってしまうと、血液の液体成分が血管から血管外に染み出てきます。
これにより、網膜が水浸しになります。この状態を網膜浮腫と呼びます。
また血管が破れてしまうと、血液が血管外に流出します。この状態を網膜出血と呼びます。
血管壁が薄いほど影響を受けやすいですが、網膜は細い血管が多い場所なので、
糖尿病で影響を受けやすいです。
さらに進行しますと、毛細血管が潰れて血流障害が起こります。
血流障害のある場所を無血管領域と呼びます。無血管領域に存在する細胞は栄養分である
血液が運ばれてこないため、SOS信号を発信します。
SOS信号の内容は、新しい血管を作るように指示するものです。この信号を受け止めた
血管は、そこから新芽を出すように無血管領域に向かって血管を伸ばしていきます。
この血管を新生血管と呼びます。
新生血管は即席に作られた血管なので、非常にもろく、すぐに破れてしまいます。
新生血管が破れると、ゴムボールで例えると空気が入っている空間に出血を起こします。
すなわち、眼球内が血液の海のような状態になってしまいます。この状態を硝子体出血と
呼びます。
血液は赤く透明ではないので、光を通しませんから、目を手でふさいだのと同じような見え方になってしまいます。出血の濃さによって見え方は様々ですが、ひどい場合には光っているのが分かる程度にまで視力低下します。
また、新生血管は1本だけが伸びていくのではなく、網膜の表面を這うように増殖していきますので、膜状になった増殖膜が網膜を引っ張り、網膜が剥がれたり、網膜に孔があいたりします。
新生血管が目の中の水(房水)の通り道である隅角という場所に生えてくると、
房水の通過障害が起こり、目の中に房水が溜まることによって眼圧が上昇し、
緑内障になってしまいます。
新生血管が原因での緑内障を血管新生緑内障と呼び、治療困難なことも珍しくありません。
このように糖尿病が原因で起こる網膜の病気を糖尿病網膜症と呼びます。
進行した糖尿病網膜症は現代の医学をもってしても、失明を免れないことも少なくありません。 初期の段階では自覚症状がないことがほとんどですので、糖尿病を内科で指摘された場合には必ず眼科を受診してください。早期発見早期治療が必要な病気です。
糖尿病網膜症の初期は内科との連携による血糖コントロール、無血管領域が出てきたら
網膜光凝固術、硝子体出血や増殖膜による合併症が出てきたら硝子体手術が必要となります。
【糖尿病網膜症の進行段階】
糖尿病黄斑症
網膜は光を感知する神経の膜であり、その中で一番感度の高い場所を黄斑部と呼んでいます。黄斑部が傷むと
視野の中心部に異常をきたします。
糖尿病によって血管からの水漏れによって黄斑部が
水浸しになる状態を糖尿病黄斑症と呼びます。
黄斑浮腫を起こすと視力が低下しますので、
一般に患者さんが気づくのも早いです。
治療としては、血管からの水漏れを抑える効果のある
薬を目に注射する治療や網膜光凝固術、硝子体手術が
行われています。
網膜静脈閉塞症
高血圧が背景にあって動脈硬化が発症の原因となることが多いので中年以降に起こることが
ほとんどですが、若年者でも血管の炎症や鉄欠乏性貧血などによって発症することがあります。
網膜内を走行する静脈が詰まることによって発症します。
網膜出血や虚血の程度は様々です。
毛細血管が潰れてしまい無血管領域が出てきたら、網膜光凝固術を行います。
糖尿病網膜症と同様に、新生血管が破れることにより硝子体出血を合併することもあります。
網膜中心静脈閉塞症
網膜静脈分枝閉塞症
黄斑円孔
黄斑円孔は黄斑部に円孔が開く病気です。
眼外傷で起こることもありますが、
ほとんどは何もしなくても発症します。
視力低下や、視野の真ん中が見えにくくなる症状が
起こります。病気にかかっていないもう片側の目で
補いますので、発見が遅れることがあります。
治療は、眼底の手術(硝子体手術)で眼球内に気体を
注入します。術後数日間のうつ伏せ姿勢を要します。
網膜剥離
眼球の裏側には網膜と呼ばれる光を感じる薄い膜が張り付いています。網膜に光が当たることによって「見る」ことができるのですが、網膜が眼球から剥がれると剥がれた網膜に光が当たっても光を感じることはできません。眼球から網膜が剥がれる病気を網膜剥離といいます。
網膜に裂孔(孔)が開くことによって網膜が剥がれる
病気を裂孔原性網膜剥離といい、網膜に裂孔(孔)が
ないにもかかわらず網膜が剥がれる病気のことを
非裂孔原性網膜剥離と呼んでいます。
●裂孔原性網膜剥離
1万人に1人の割合で発症するといわれています。
網膜剥離患者の年齢分布では20歳台に小さなピークと60歳台に大きなピークがあります。
アトピー性皮膚炎や強度の近視眼等が背景にあることが多いです。
外傷性でも起こりますが、ほとんどの方が外傷と関係なく網膜剥離を発症しています。
ピカッと光って見えたり、糸くずや虫のようなものが見えたりするのが網膜剥離の初期症状といわれていますが、急に視野の一部に黒い影が見えるようになって気づくこともあります。
放置すると失明しますので、できるだけ早く眼科を受診してください。
現時点では手術でしか治療できません。
●非裂孔原性網膜剥離
糖尿病や高血圧により網膜の中を走っている血管が傷んでしまい、傷んだ血管から血液成分が漏出することがあります。血管からの漏出の程度によって網膜が浮き上がるように剥がれる
ことがあります。
また網膜の表面にある網膜色素上皮細胞が傷むことによっても網膜剥離を起こします。
これを漿液性網膜剥離といいます。
その他、網膜の中や網膜の下側に病的な血管が発生したり、網膜の表面に増殖膜が発生したりすることによって、漿液性網膜剥離や出血性網膜剥離牽引性網膜剥離を起こします。
手術や目に注射をすることによって治療しています。
加齢黄斑変性
病名にあるように加齢によって黄斑部が変性していく病気です。
黄斑部は視野の中心部の視力に影響する場所ですので、その部分が障害されると視野の中心部がゆがんで見えたり黒く見えたりします。
加齢黄斑変性症は徐々に悪化していくことが珍しくなく、しかも両眼に発症することも
あります。
超高齢化社会となった欧米や日本で問題視されている病気です。
眼球内に注射をする治療が広く行われています。
翼状片
眼球の白い部分を結膜、黒い部分を角膜といいます。
鼻側の結膜が角膜に侵入していく病気です。
自分で鏡をみても、鼻側の角膜に充血を伴った結膜が
入り込んでいるのが分かるはずです。
異物感も伴います。
角膜の中央部にまで侵入してくると視力に影響してきますので、手術適応となりますが、切除しても再発することも少なくありません。
眼瞼下垂
上まぶたが垂れてくる病気を眼瞼下垂といいます。
先天性のものやまぶたを上げる神経の病気などでも起こりますが、ほとんどは老人性眼瞼下垂であり、加齢によるものです。
下垂した上まぶたを額の筋肉を使って開けようとするので額にしわが寄ります。
上まぶたが垂れることによって視界の上側が見にくくなるため、あごを上げて見えない場所を補おうとします。
眼瞼痙攣
まぶたがピクピクする、光をまぶしく感じる、瞬きの回数が増える。
目を開けているのがつらい、目が自然に閉じてしまう、目が乾く、などの症状が
認められます。
通常は両目におこり、緊張したり、意識したりすると痙攣が強くなります。
ドライアイやチック症と間違えて診断されていることもあります。
痙攣が起こる原因は不明ですが、脳からでる神経になんらかの不具合がおこり、目の開閉が
うまくコントロールできなくなると考えられています。精神的なストレスや疲労で症状が
強くなりますので、原因の一部にメンタルが関係している可能性もあります。
ボトックス治療で痙攣を止めます。
片側顔面痙攣
片側の目がピクピクし、同時に頬や口の横もぴくついたり、引きつったりする場合は
顔面痙攣という病気です。
眼瞼痙攣と同様に、ボトックス治療を行うと、痙攣は止まります。
原因は不明な場合もありますが、時々脳の中で顔の筋肉を動かす顔面神経と動脈が
ぶつかって、痙攣の原因になっていることがあります。必ず頭のMRIを撮影し、
場合によっては脳外科でぶつかっている神経と血管を引き離す手術をすることもあります。
また顔面神経麻痺が治ったあとに起こることもあります。
ボトックス※現在新規の受付を中断しています。
眼瞼痙攣、片側顔面痙攣の治療としてはA型ボツリヌス毒素製剤=ボトックス治療が
保険適応です。
ボトックスを痙攣しているまぶたや口の周囲に注射をして筋肉の緊張を和らげます。
効果は早い方で翌日から実感できますが、最大の効果は約2週間後になります。
効果の持続はおおよそ3~4ヶ月で徐々に効果がなくなってきますので、
再度注射する必要があります。半年に1回ほどで症状をコントロールできる場合もあります。
また、ボトックス注射をしていると、徐々に症状が改善していく方もおられます。
ボツリヌス毒素といってもきちんと製剤処理されているので、身体に悪い影響が出ることは
ありません。注射に使う針は極細ですので、痛みは軽く、注射した跡も目立ちません。
オルソケラトロジー
オルソケラトロジーとは?
オルソケラトロジーとは、
就寝時に特殊なコンタクトレンズを装着することで、
角膜の形状を矯正して裸眼視力が改善されるので、
日中を裸眼で過ごせるようになるという治療法です。
オルソケラトロジーには近視の進行を抑える効果があると報告されており、近視が進行している小児への治療効果が期待されています。
また2009年には厚生労働省の承認を受け、安全性が高い
ことが証明されています。
あたか眼科では東レ製「ブレスオーコレクト」を
取り扱っております。
オルソケラトロジー治療は健康保険の適用はなく、自由診療です。
オルソケラトロジーの仕組み
オルソケラトロジーのメリット
- 手術が不要です。
- 野球やサッカーなどのスポーツや、水泳やサーフィンなどの水中スポーツが
裸眼で安全に楽しめます。 - 小児の近視抑制効果が期待されます。
- 起きたらすぐに見えます。
- 化粧や洗顔がしやすいです。
- コンタクトレンズの乾燥による目のゴロゴロ感がありません。
治療の流れ
《初診》
オルソケラトロジー治療の適正検査、カウンセリングを行います。
適正検査で問題がなければ、トライアルレンズを装用体験していただきます。
《お試し装用》
- トライアルレンズを装用し、フィッティングや見え方などを確認します。
- トライアルレンズを1週間お貸し出しいたします。
《治療開始》
お試し装用で問題がなければ、治療を開始致します。
引き続き治療をご希望される方は本治療費をお支払いいただきます。
《定期検査》
装用開始してから1ヶ月後、3ヶ月後(以降は3ヶ月毎)に定期検査を行います。